punimaruko157のブログ

主に急逝してしまった兄の話。

オトナノススメ

「大人になりたくねェ! 子供のままがイイ!」

ムリだった!生き物だから それはムリだった

 

「働きたくないし 遊んで暮らしたい」

甘かった金もなかった 寝てるだけでも 腹へるし〜

 

三十やそこら辺りで つまらねェ大人へと

避けられぬ悲しきさだめ ウソだ!それはデタラメだ!

 

オトナはサイコー!オトナはサイコー! ぜんぜん楽勝 恐るに足らん

オトナはサイコー!青春続行! 人生を背負って大ハシャギ

 

「大人に夢は無い 大人を信じるな!」

バカ言うな!夢ならあるし 誰か騙す予定もねェ

 

守らねばならないモノがあるのなら尚更に

攻撃は最大の防御 攻めて!攻めて!攻めまくれ!

 

オトナはサイコー!オトナはサイコー!これからは本番 後半戦いこう!

オトナはサイコー!青春続行! 人生を背負って大ハシャギ

 

オトナはサイコー!オトナはサイコー! ぜんぜん楽勝 恐れずに足らん

オトナはサイコー!青春続行! 人生を背負って大ハシャギ

 

 

Written by 増子直純怒髪天

 

 

兄の部屋にある、録画されたHDをみてみた。

ほぼほぼ音楽番組だったりしたのだが、たまに、NHKの番組がちらほら。

ドキュメンタリー番組も結構ありました。兄はどうしてドキュメンタリーをみるようになったのだろうか?このへんも聞いてみたかった。

南海キャンディーズの山里さんがナレーションをした、フジテレビ系ザ・ノンフィクションもあった。

ある体育大学の体操部を密着したドキュメンタリー映像だった。ちなみにそれは、見られていなかった。

私が兄のところに泊まりにきた夜、一緒に見るか?と聞かれ、

「これダメ。私泣いちゃった。号泣しちゃった。」と言って結局見ずに終わってしまった。

そんなことがあったからなのか、それはもうわからなくなってしまった。

がんばでーーーーーーーーーすっ!

 

中でも以外だったのが、NHKの「視点・論点」。何回か録画がとってあった。未視聴ではなかった。

この文章を読んでくださっているあなたはこの番組を知っているだろうか?

Eテレ】月曜〜水曜 午後1時50分〜午後2時

【総合】火曜〜木曜 午前3時50分〜午前4時(再)

2018年7月現在

 

この番組に、怒髪天増子直純さんが出演されていた。

成人式を迎える皆さんに、と先輩である増子さんがメッセージを伝えていた。

 

オッス!怒髪天ボーカルの、増子直純でっす!

さて、ありがたいことに、この、視点・論点の私の出番、3回目となります。

私ですね、ロックバンドの、ボーカルという職業柄、社会、経済、政治、世界情勢、

果ては、となりに住んでるオッさんにまで、言いたいことがてんこ盛りにございます。

今回のお題は、「オトナノススメ」。これは先日、めでたく成人を迎えられた若者たちに、これからのメッセージということで、今回このタイトルにいたしました。

実はこれ2009年に、私がやってるバンド、怒髪天。これが出した、楽曲のタイトルでもあります。今回、この歌詞から、紐解きながら、お話ししたいと思います。

 

まず、なぜ、この曲を作ろうと思ったのか、と言いますと、私、17歳の時に、パンクロックにしびれまして、バンドを始めました。それでこの怒髪天、といういかつい名前をつけました。

この時から、パンクの常套句であります、「Don’t trast over 30.」。

日本語で言うと、「大人を信じるな」この常套句にしびれまして。

大人は、社会の歯車だ。傀儡(くぐつ)だ。操り人形だ。生きる屍(しかばね)だと。なんとなく、そんなことを言うのがかっこいいんじゃないかと、思って、そういう歌詞を書いていました。

なんの実感もなく。これは、いろんなロックバンドのやつが経験したと思いますけど。それが、バイトをしながらバンドを続け、30を過ぎ、40を過ぎ。我々、40過ぎまでバイトをしながらバンドをやっていました。

 

その時に、「あれ、ちょっと待てよ。おかしいぞ」と。「誰だこれ大人はつまらない。大人を信じるな。大人なんかに夢はない。傀儡だ」と。「社会の歯車だ」となんて言っていたのは誰だ。

「これ、面白くない?現状の方がこれ子供の時より楽しいんですけど」と感じた時に、

これは、過去の自分に対してですね、アンサーソング。この「Don’t trast over 30.」大人を信じるな、に、ちゃんと答えを、自分で出さねばいかんと、思って作ったのが、この【オトナノススメ】なんです。

歌詞の冒頭、「大人になりたくない 子供のままがいい ムリだった 生き物だから それはムリだった」

物理的にこれは無理でございます。大人になりたくない、といっても子供のままは無理。そして、働きたくないし、遊んで暮らしたい、それも甘かった、そんな家には生まれていない。

寝てるだけでも腹が減る。だったら働いて、自分で食うしかない。これが大人である。そんな大人に対してですね、子供の頃は、もう大人になりたくない。大人って、こわい。大人になるなんてもう恐ろしい。そう思ってました。俺も。それはなぜか。まわりの大人達が、つまらなく見えてしまう。だから会社に行って帰ってくるだけ。そんな、親父の背中をみて、なんか寂しくなった。あんな風になりたくないな、と思ってた人も多いとおもう。

 

でもそれは違います。お父さんは家では家の顔です。お父さんの顔でございます。家から一歩出れば、会社が終わって、楽しい時間もございます。大人はなにしろですね、お酒を飲むこともできます。小学生で、どんなに悪い点をとって、先生に怒られても、帰りに一杯ひっかけるなんてことは、これはもう、許されることではございません。しかし、大人になるとこれが許される。ビール。これは素晴らしい飲み物です。飲み物でありながら、「生きていてよかった」と、「このために俺は生きているんだ」と、思わせてくれる液体は、ビールしかございません。この一杯があるだけで、大人になってよかった、と、そう思うことすらあります。

 

若気の至り、と言いますけど、若い頃の無茶を、よく大人は自慢します。「俺って、やんちゃだったんだよ昔は」そういうことではないんです。大人、男でいうとおっさんの時期。続きますと、人生のほぼ半分以上、おっさん期です。中年期なんです。この、おっさんである大人である時期を、充実させないといけない。

 

果たして人生の充実は、あるのか?いや、これは、ないです。若い頃の無茶は、誰にでもできます。

人生を背負って、家族を背負って、責任を背負って、大はしゃぎする。

これこそが、大人の醍醐味でございます。人生の半分以上を占める、このおっさん期を楽しんでいく、そして大人になった。その楽しみを、全身で喜ぶ。

会社で怒られたり、苦いこともあります。

自分が必要とされてないんじゃないか。そう思う若者期が、どうしても逃げられない責任を負う。

大人期に入った時に、いや必要とされてないんじゃないか。今ここは、みんながやる、いや俺がやらなきゃいけないんだと、責任を背負った時、それは歯車ではない。一部。

ちゃんとした生きている、この社会の大事な一部なんだ、ということ。背負った時に、自分の生きている意味を発見できるんではないかと、思っております。

 

人生が、一冊の本であるとする。例えば30巻の本だとすると、10巻くらいでは、全ての登場人物は全部、出揃いません。それこそ30を過ぎた15巻、以降です。ここで、やっと登場人物が揃い、物語が佳境に入っていく。そして、名作であればあるほど、物語は後半に、盛り上がっていくものでございます。大人になった時の、痛み。苦味。それを、背負いつつ、人間は生きていく。そして、いわばドM的にその苦味も、酒の肴にして、生きていこうじゃないかと。

人生というバッターボックスに立ち続け、そしたらデッドボールでも、塁に出る事はあります。そんな大人に、若者たちが早くなってほしい。早くこっち側にこいと。大人の方が絶対に楽しい。なにしろ、いろんなもの背負って、大はしゃぎする。その、醍醐味を味わってほしいと思います。

大人はサイコー!

 

 

 

この録画を何回見たんだろうか?

 

 

こんな風に人生を送りたかったのかな?

 

 

やっと人生の登場人物が揃ってきたのにね。

 

 

もっともっと増える可能性だってあったのにね。