お見舞い
母が長いこと入院をしている。
昔、こんなことがあった。
兄「親父がさぁ、(お見舞いに)なかなか行かないんだよ。」
私「あぁそぉーう。」
兄はマメに顔を出していたようで、都度父親にも声をかけて誘っていたにもかかわらず、なかなか行かないんだ、と。
そこで兄は娘である私に助け舟を、と思ってのこのひとことだった。
私も当時住んでいた埼玉から群馬に帰ってきて、兄の話を聞いて埼玉に戻るというタイミングで、父親のもとを訪れた。
私「お父さん、(お見舞い)、行く?」
父「いいよぉ。」
私「いいの?!」「お父さん帰りも送ってくからさ、一緒に行こうよ。」
父「お父さんはいいよ。」
私「いいのぉ?!」
このやりとりが何回か行われて、結局私は1人で母のもとに行くことに。
母に会うとすぐに、「お父さんは?」のひとこと。
仕方がないから、「お父さん、うちにいるよ。」と私は言う。
兄が亡くなって、こういうやりとりはなくなった。
どうしてあの時かたくなにお見舞いを拒否したのだろう?
そんなことを何度も思う。
私が事故にあって大怪我をして長く入院してしまったので、その間父は母のもとに行っていない。
自力で行けば、などと私は思ったが父にそこまでの力というか行動力はなくて。
もう少し、父にそういったことができてもらえたら、と切に願う。