punimaruko157のブログ

主に急逝してしまった兄の話。

カツ丼

うちの兄は、昔から食べ物屋さんやファミレスなど、一緒にそういう所にいくと、

決まって「カツ丼」を頼む。

私と兄が一緒にあるファミレスに行った時のこと。

メニューをぴらぴらとめくって悩んでいるように思った。

その時私は唐揚げ定食を選んだ。私は割となんでも食べる方だ。

そしたら兄は「カツ丼」というではないか。

私はすかさず、「カツ丼好きねぇ。」といったら、間髪入れずに、

「カツ丼は裏切らない」と言うではないですか。

私は爆笑した。

TBSラジオ東京POD許可局を聞いている方なら思い出すであろう。

よく、○○は裏切らない、と話していますね。

 

ある日、私と父親とでお昼を食べにいった時のこと。

兄にも連れてきてくれたといういい雰囲気のお酒も飲めるという食堂に行き、

父は味噌ラーメン、私は海鮮丼を食べた。

会計が終わり、さぁ帰ろうと車に乗って、こんな会話をした。

「お兄ちゃんときた時はお父さん何食べたの?」

「カツ丼。」「え?それお兄ちゃんじゃなくて?」

「お兄ちゃんが食べるってゆうから一緒に食べたん。」

「そういえばお父さんも割とカツ丼好きだよねぇ。」

一緒に食堂に行っても安いものしか食べない父親。

それをみていた兄はじゃあ、といって自分の好きなカツ丼を父親と一緒に食べていたのかもしれない。

 

なんだか優しい話じゃないか。

相手の事をしっかりとみて、受け取り、自分もしっかりと主張する。そんないい人だったんだなぁ、と。

私のやってる、論破禁止ゼミにも連れていきたかったなぁ。私が知り合った人たちにも会わせたかったなぁ、と。