punimaruko157のブログ

主に急逝してしまった兄の話。

レコード盤

「おなか空いたな。」

どうしようと悩んでいると、鶏肉を調理した、いい匂いが漂ってきた。

今日はランチだな。私はそう決めると、となりの喫茶店のドアをカランコロンと開けた。

「いらっしゃい。こんにちは。」いつものママさんの声が私を安堵にさせる。

どうぞ、とお水とおしぼり、メニューを持ってきてくれた。

 

私はメニューをみたとたん、パスタが食べたいと思った。

「じゃあママさん、日替わりパスタで。」

「お飲み物は?」「ホットコーヒーで。」

「はい。コーヒーね。ありがとうございます。」

 

パスタを待っている時間、私は店内をふと見上げた。

すると数枚のレコード盤が。

「はい、お待たせー。」

「ありがとうございます。ねぇママさん。あのレコード、どうしたの?」

「あれ?あれは全部あなたのお兄ちゃんがもってきたものよ。」

今年亡くなった兄が持ってきたものだということがわかった。

「へぇー。本当ぉー。」

私はすかさずスマホのカメラを動画に切り替え、動画を撮った。

「そういえばあれは見覚えあるかも。」

YMOのレコードが置いてあった。自宅にいるときに見かけたものもあった。

 

「大丈夫?麺伸びちゃうよ。食べないと。」

「そうだ。お兄ちゃんに怒られちゃうね。「俺の好きなシーフードスープスパが、」って。」

その日の日替わりパスタは兄が好きだったシーフードスープスパだった。