punimaruko157のブログ

主に急逝してしまった兄の話。

ヒーター

「お兄ちゃん、つかないよ、これ。」

「ん?つかない?これさー、切って、温度上げてさぁ。」

兄がもう一度消したりつけたりするとヒーターはついた。

「おお。ついた。」

いつ買ったのかもわからないそのヒーター、ステッカーなどがベタベタと貼ってあるのをみて、愛着をもって使っているのだろうなぁと想像できた。

ちなみに、兄が使っていたゴミ箱にもたくさんのステッカーや製品に付いていたシールなどが貼ってある。私にはある意味芸術作品とも見えて、手放すのを躊躇してしまっている。

 

これいつ壊れるんだろ?もう新しいの買おうかな。

そう思いつつだましだまし使っていた。

ついに、とうとうその日がきてしまったようだ。

 

私は風邪をひいた。

疲れも溜まっていたのだろう。季節の変わり目に重い風邪をひいてしまった。

昔から寒いのが苦手な私は、ヒーターをつけようとスイッチを入れる。

が、ピーピー、とエラー音がする。

「ん?」

おかしい、と今度は電源を抜いてからスイッチを入れてみる。

再びピーピー、とエラー音が。

私はGoogleを開き、機種とエラーの表示を入れて検索する。

すると「故障」の文字が。

買ってからだいぶ経っていることを想像すると部品なんてあるの?と疑問に思った。

修理してもらうより買った方が早いし、何よりも寒い。

私はすぐに近所にあるホームセンターに車を走らせた。

やはり早めに買っておいた方がよかったか?と後悔をした。

適当なものを選んで私は新しいヒーターを買った。

 

「このタイミングか。」私は思わず呟いてしまった。

 

兄がいなくなったから、壊れたのかもしれない。

 

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