punimaruko157のブログ

主に急逝してしまった兄の話。

ケーキ

先日のクリスマス、結局ケーキを食べることができずにいたので、大晦日、私はいつもの兄お気に入りのケーキ屋さんに足を運んだ。

縦に細長いお店はお客さんが入れ替わりたちかわり出入りしていた。

ドアの手前で会計をしているところをちらっとみると、お客さんの手にはホールケーキが。

家族づれだったのでみんなで食べるんだなぁ、でも、クリスマスもケーキ食べて、大晦日にも食べるの?なんて私は思った。

 

透明のショーケースにはたくさんの、見た目にもインスタ映えしそうなケーキがずらりと並んでいる。

いつまでもその場にいたいとさえ思えるすごくステキなケーキ屋さんだ。反対側には焼き菓子、コンフィチュール、紅茶なんかも陳列されている。さらに奥にはステキなチョコレートが。席が少し設けてあって、その場で食べることもできる。

視線を少し上にやると、私が誕生日に食べたショートケーキが。生クリームの味を思い出して思わずニヤリとしてしまった。

再び下に目を向けると、飛び込んでくる色鮮やかな二種類のタルトが。

私はその二種類を買った。

 

そして私は、それを持っていつものママさんのところに行った。

夕方から出かけるという話を聞いていたので、若干滑り込みでお店に入った。

「ケーキ買ってきたから食べませんか?」と私が誘う。

「どうする?コーヒーでも飲む?」とママさんがコーヒーを淹れてくれた。

ケーキの箱を開ける。

「どっちがいいですか?選んでいいですよ。」私は先にママさんに選んでもらおうと思った。

すると、「選べないよー。選んで?」と恐縮させてしまった。

「私も、どっちでもいいやー、と思ってこの2つにしたんですよ。」と言ってみたけど頑なに選べない、と。

私はいちごのタルトを選んだ。いちごは私の1番好きな果物だ。

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ママさんはフルーツタルトを食べた。

 

「クリスマスに食べれなかったから。たまにはこういうの食べないとやってらんないですよ。」私は愚痴るようにママさんに話す。

クリスマス、よく兄と一杯やってたという話を聞いていたので、お店に行ったけどケーキやチキンはなくて。

私もその日どうしようか悩みながら行ってしまって、手ぶらで行ってしまったのが心残りになっていて。

 

すると、いつもケーキを買っていたというコンビニのオーナーさんの話に。私も一度お見かけしたことがある。

どうやら、店内を見上げたところに置いてある数枚のレコードはそのオーナーさんとよく聞いていたとか。

夜遅くにやってきて、兄とよく聞いていたという。ちなみにレコードプレーヤーはオーナーさんのものだそうだ。

私はそのレコードを聞いてみたいとずっと思っていた。どんな感じで兄が聞いていたのか私は知りたい。

 

帰りがけ、「来年はいい年になるといいね。」とママさんから声をかけてくれた。こういう気持ちを伝えてくれる私にとって本当にありがたいと思うお一人だ。

今年は、いいことが私に多く起きますように。